包帯クラブ 脚本
(学校で、笑が手首に包帯を巻きながら、外へ歩いて行った。)
“どうしだの、笑?リスか?”
“なわけないだろう、ただの怪我だよ。”
(笑が校外に立ち留まって、澄み渡った空を仰いで见つめていた。)
OS: 私のなかから、いろんなものが失われている。いつ顷からか、それに気付いた。例えば、悪魔のような奴が表れて、これとこれを持っていくっとか、分かりやすく宣言してくれだら、ちゃんど気付いて抵抗しただろうけど、现実には、気付いた时にはなくなているって感じだ。それも、敌にはとても思えない人とか、目に见えない何かによって、少しずつ、毎日のように失っている。
(家で、料理をしている笑が不注意で手首を包丁で伤ついてしまった。)
(工场で、笑のお母さんが働いている。)
“お疲れ様、骑马さん、今夜・・・”
“今夜?”
“深夜食いらない?”
“まさかまだ残业しろとか?”
“いかがでしょうか?”
“偶にはおいしいもの食べに连れていてくださいよ。”
“はいはい、ありがとうございます。”
“○かよ・・・”
OS : 私だけじゃない、ほかの人だちも、きっと大事に握っていなきゃいけないものをどんどん失っている。だけど、もっと残酷なのは、私たちの知らず知らずのうちに、今度は、持ち去っていく侧に回っているってことだ。大切なものを守ろうとして、悬命に闘っているつもりでいると、いつの间にか、大切な部分が失われている。
(病院のビルを见上げて、とても寂しい表情で屋上を见てた笑がいた。)
先生:“うん、リストカットはよくないね。”
笑が弁解:“违うんですけど・・・”
(他人の胜手な误解にムカついた笑は一人で病院の屋上へ上がった。そこで见たのは、人の心を吸い込むような果てのない青空だった。)
( 笑は思わず手を扬げ、缓んでいる包帯を风に乗せて自由に踊らせてみた。突然、もっと空に近い视角で町のパノラマを见って见たい気がしたら、笑は病院の屋上のガードレールに登り、巨大な空の幕の下で、一人の少女がバックライトのシルエットが映り出した。一频りの强い风に吹かれて落ちた包帯はガードレールに络んで风の中に揺れてた。そんな景色が何といえば一瞬心の底まで打ち込んだぐらい美しく感动的に见えた。)
そんな时、一人の少年が突然后ろから声をかけた。
―“なんー、ジャージか・・・”
―“ちょっと。。。”
―“うちん覗いてへんで、立って见せたん、そうやろー、ジャージだけど、つーか、今から死ぬちゅう时でもパンツ见られんのがいやなんだ・・・そう、これ・・リスか?痛かったやろ、リスが・・・けどな、リスかでなかなか死なれへんで・・・”
―“违います、リスじゃありません。”
―“ハー?リスかで死なれへんから飞ぶんやろ?”
―“リスじゃねぇってつってんだろか!”(笑が本気で怒った)“包丁で切っただけなの!ほら、こっちに斜めてんでしょう!”
―“どっち?”
―“だいたい今だって死のうとしたわけじゃない、见てただけ。何でも分かったような口闻いて、一年?二年?あんたみたいなガキに何がわかんのよ、わたしの何がわかんだよ!”
―“こわっ!”
―“みんな何も考えず、言いたいことっけ言いあがって・・・”
―“ごめんな、リスかちゃうのに、リスかリスかって分かったようなこと言って、确かにうざいよな、ごめんな、お诧びに死ぬか!”
―“ちょ 、、、ちょっと、やめて、迷惑なんだから、やめて!!”
―“そか、そんても君に迷惑か、どないしたらええんかな、难しいなぁ~”
―“あんた、重い!”
―“だけどさっき自分が死のうとしたのが事実やって”
―“自分?”(笑はその“自分”って向こうのことを指すと思う、でも関西弁で“自分”は相手のことだから、実は笑の方なんだ。)
―“自分!”
―“あり得ない、そんなときもあるよな、道で歩いていて、真っすぐ歩いてて、ただまっすぐ歩いてることがちょっといやになって、何気なく角をすうと曲がるように・・人は死を选ぶ。精神科の医者かなんかの言叶らしいけど、ほんまそんな感じやったね。”
―“また分かったつもりで・・・”
―“わかるよ、自分がおらんかったら、たぶん俺がここから飞び降りってたかもしれへん。自分がなんでそんな気分になったのかわからんけど、多分この场所には自分の血が流れてるんや ”
―“血?”
―“血。。。”
―“何の?”
―“心の・・・ここ见晴らしええかんな、见えんてもええもんまで见えんな。。”
―“バカじゃない?!だったら止めればいいじゃないそんな血。”
―“そか、それなんええな。”
―“何してんの?”
―“手当や”
―“手当?”
ディノが包帯をガードレールに缔めた途端、心にとっかで不思议な感情が涌いてきた気がした。愈されたような、慰めたような、涙が出るぐらいの感触が胸の中にいっぱい诘まっていた。
―“なんか、血止まったせへん?・・・せへん?”
―“まあ、こういうの好きな人もいんじゃない?”
―“な、自分名前なんて言うん?おれ井出野辰耶、亲友からはディノって呼ばれてた。”
―“はっ?”
―“ディノ!”
―“似合ってないよ!”
―“似合ってへんって”