歪、としか言えない。ストーリー自体の真相、トリック、仕掛けすらどうでもいいと思うくらい捻じ曲がっている一冊だ。いったい何が信じれる、何が信じれまいのか分からなくなる。
社会、カーストの流れに翻弄され流されて、人の痛みを見て見ないふりしたり、権力、暴力に従ったりして無辜無垢を自分に言い聞かせて身を保つんだ。本来なら生物でありながら団体で生きられる保身策の一つでしか言えない、不遇、不幸なことは多かれ少なかれ誰の心にもちゃんと隠しているんだ、他人にも指摘されるほどじゃないことかもしれない。もし、その隠されたことを全部包容してくれる、自分の醜さを晒しても、自分の全てを投げ出せてもいい平気な人に出会ったら、その人への気持ちはなんと言えばいい、感謝なのか、歓喜なのか、或いは恋なのか。そしてあの人のために何を捧げてもいいと思うかな、言われることのままに聞く気分になるかな、新しい流れに乗ってしまったかな。