――レイトレーシングはとても綺麗でしたが、オンにするとハイフレームレートは使えないんですよね?
隈部氏:ハイフレームレートは最大120fpsになるのですが、レイトレーシングはかなりマシンのパワーを使うので、同時には使えないんです。
――今回、ハイフレームレートは体験できなかったのですが、ハイフレームレートだとやはりかなり綺麗に動くのでしょうか。
隈部氏:まさに「ヌルヌル動く」という言葉がぴったりです。あと、120fpsだとアニメーションの密度が高くなるので、目が疲れにくいですし、頭も疲れにくいですよ。
――そんな効果が……。ちなみに実際にハイフレームレートで遊ばれてみて、いかがでしたか?
伊津野氏:120fpsだとあまりに滑らかに動くので、これまでとは違うゲーム体験が出来ると思います。特に120fpsは、TURBOとの相性もいいですよ。でも開発チームにも120fpsで動かすのに対応したモニター、2つしかなかったよね?
隈部氏:そうですね、なので開発現場でも120fps環境は取り合いになるほどでした。もうみんなが「やりたい、やりたい」という感じで……それくらい違うということですね。
――1.2倍速になるTURBOは、違和感無く速くなるので素晴らしかったです。
隈部氏:TURBOは、体感的にかなり変わると思います。ただ、基本的に全て1.2倍速になっているのでその分忙しくはなるんですけれど、慣れてくるとそれがクセになってくるというか、心地良くなってくるんですよね。感覚もこれまでと変わってきますが、このスピード感を楽しんで頂ければと。
――感覚が変わる……例えばどういうところでしょう?
隈部氏:敵が早く動く分、自分も早く動かないと間に合いません。でも同じ時間で攻撃できる手数は圧倒的に増えますし、その分めちゃくちゃかっこよく見えるので、よりスタイリッシュに動きたくなるんですよね。なので、ハマりはじめるとTURBOにどんどんハマっていく、という感じです。
伊津野氏:コンボ動画とかも、TURBOで録画すると、なんだかとてもすごいことをしているように見えるんですよ(笑)。これまでの「DMC3」や「DMC4」の時もそうでしたが、コンボ動画をアップしている人はTURBOで撮影している人が多いんです。スタイリッシュさを求める人ほど、楽しめる設定だと思います。
――TURBOになると、入力受付のフレーム数とかはどうなるんですか?
隈部氏:フレームレートの受付自体は早くなります。ジャスト次元斬などが、モノによっては影響を受けづらいものがあり、例えばネロのイクシードのEXアクト等についてはあまり変わらないです。そもそも変わったとしても、MAXアクトはそもそも1フレームなので、これ以上変わり様がないとも言います(笑)。EXアクトも元々3フレームとかなので、基本的にTURBOでも変わりありません。
――では、新難易度レジェンダリーダークナイトについてお伺いできれば、と思います。
隈部氏:こちらは、せっかく次世代機で出すのだから、ということで、次世代機の性能をフルに活かすモードとなっています。
――あれだけたくさんの敵が出て来ても処理落ちしないことに、びっくりしました!
伊津野氏:あれはもう、処理落ちとの戦いで、とても試行錯誤したんで……。次世代機を作られたハードメーカーさんもとても頑張られてあの性能のゲーム機を発売されると思うんですが、僕たちもめちゃくちゃ頑張りました(笑)。
隈部氏:無節操に敵を増やすと、それに伴って難易度も上がりすぎてしまうので、その調整はちゃんとしています。
マット氏:ヒューリーを10体とか出すと、プレイヤーが死んでしまうので(笑)。
隈部氏:ヒューリー10体は、僕らでも捌けないですね(笑)。
――なるほど、ただやたらに敵の数が増えているわけじゃないんですね。
隈部氏:難易度には気を使いつつ、”レジェンダリーダークナイト”という名前に相応しいものに出来たと思います。
伊津野氏:画面から受けるインパクトを下げずに、難易度をキープするということで、ヘルカイナとかを1画面に50体くらい写るようにしているんですが、むやみに増やしているわけではなく、ちゃんと楽しい範囲に収まるように増やすというのを調整しています。
マット氏:ブラッディパレスでも同じくらいの量の敵が出て来たりもするので、現行機でもレジェンダリーダークナイトを追加できるのでは、と思われてしまいそうなのですが、やはり常時ゲーム上の背景を描画し続けながらあれだけ大量の敵を出すというのは、現行機では無理なんです。それこそ多分、処理落ちの嵐になって、快適なプレイ体験とは程遠くなってしまうかと。
隈部氏:レジェンダリーダークナイトは、マシンへの負荷がとても高いので、考えなしにただ敵の数を増やしているわけではないんです。実は登場する敵の数とかも、処理落ちしないギリギリのところを、何度も修正しています。あと一体増やしたらもう落ちる、というような部分をとても細かく詰めているので、楽しんでいただけると嬉しいです。
――レジェンダリーダークナイトの試遊のときにスーパーシリーズを使用させてもらったのですが、現行機でDLCとして販売されていたスーパーシリーズは、次世代機でも販売されるのでしょうか?
伊津野氏:販売される予定です。とは言っても、スーパーシリーズは難易度Dante Must Dieをクリアした方の特権なので、「やんごとなき事情があって、そこまでやり込む時間がない忙しい人向け」という感じに受け取ってほしいです。
――私にもやんごとなき事情があるので、助かります……。スーパーシリーズ以外の有料DLCも、全て次世代機で販売されるのでしょうか。
伊津野氏:基本的に、現行機向けDLCはほぼ今回の「DMC5SE」に最初から収録されています。ただ、「DMC5」の発売当時に限定特典だったアイテムは収録されていません。